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荒廃した地球。 [現実]

福島の特別な夏 #17 警戒区域その2

なぜなんだろう。
この「警戒区域その2」の写真を観たとき、
想像していた「核戦争後の荒廃した地球」と脳内で一致してしまった。
或いは「ターミネーター」や「バイオハザード」で描かれた地球と。
荒れた建物、
痩せこけた犬、
錆びたレールと生い茂る草、
電気のつかない信号機、
「死」のにおいと「生」の気配の境目。
そんな気持ちになってしまった。

今までそんな風景が現実にあるとは、
考えたこともなかったことにも愕然とした。
「あれは想像の世界。」
勝手に自分で思い込んでいた。
それが自分の住んでいる国で、
自分が便利に使っていた電気のせいで、
一時は移住もちょっと考えた福島で、
そんな光景が現実になるとは思ってもいなかった。
私の想像力が足りなかったのか。
否。
ただ単に無知だっただけだ。
原発というものの構造も知らずに、
一度稼働した原発の火を消すためには、
10年単位の時間が必要で、
万が一放射性物質が拡散した場合の半減期も知らなかった。
東電も経産省も閣僚も官僚もみんな、
「無知」であるがゆえに津波への防御ができなかったし、
「万が一」が起こったときの対応もできなかった。
「事故は起こらないもの」
日本人の無知な人々はそう思い込んでいたのだろう。



神奈川は平穏な日々が続いている。
ちょっとばかり暑いけれど。
でもみんなの中の「何か」が「あの日」から変わった。
たぶん「死」が今までよりも身近になったのだろう。
政府も大手メディアも東電も本当のことは言わない。
それは「死」に直結する情報だからだ。
そして今までは想像の世界でしかなかった、
「荒廃」という現実を突きつけられた。
津波の残した爪痕と、
今も事態を収拾できない原発。
「あの日」から日本人は信じがたい現実を知った。



抜けるような青空と白い入道雲。
その下に広がる「死」の風景。



私たちは今現実を目の当たりにしている。
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