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「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」 [ストリーミング]


ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(字幕版)

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(字幕版)

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2014/08/20
  • メディア: Prime Video


【STORY】
“モンタナ州のウディ・グラント様 我々は貴殿に100万ドルをお支払い致します"
誰が見ても古典的でインチキな手紙をすっかり信じてしまったウディは、ネブラスカまで歩いてでも賞金を取りに行くと言ってきかない。
大酒飲みで頑固なウディとは距離を置く息子のデイビッドだったが、そんな父親を見兼ね、骨折り損だと分かりながらも彼を車に乗せて、4州にわたる旅へ出る。
途中に立ち寄ったウディの故郷で、デイビッドは想像もしなかった両親の過去と出会うのだが―。

町山さんの話を聴いて、
「観たい!」と思ってからもう5年も経ってしまったのか。
今回はACTIONで宮藤さんと伊勢志摩さんが、
猛烈な大渋滞を起こしながら話していたので、
「ああ、今度こそ」と思い立った。

素敵なストーリーだった。
最初は老いぼれた父親の戯言に、
息子が付き合うロードムービー、
気楽に楽しんで・・・と思っていたが。

父親は強く逞しかったアメリカの象徴。
免許を返納したのにもかかわらず、
ピックアップトラックに執着をして、
それを自ら運転することに拘る。
40年も前に貸したコンプレッサーを返してもらいたい、
取り返すことへの執着。
息子たちは日本車と韓国車に乗り、
ささやかな幸せに満足している。

途中で立ち寄ったかつて暮らしていた町では、
今だの古き良きアメリカが健在。
男たちはマッチョであることを尊び、
女たちは彼らの世話をして慈しむ。

以下ネタバレ。
そんな旅の果てに待っていたのは、
予想通りの展開。
でもこれまでの旅の間に息子はちゃんとわかっていた。
息子はスバルを売ってピックアップトラックを買った。
それに乗って家路につくことにする。
そして途中の店でコンプレッサーを買う。
更に懐かしい町に着いたとき、
免許証のない父親に運転席を譲る。

失われたアメリカと男の誇りを取り戻したい。

父親の行動言動の根底を理解した息子は、
その象徴を全部父親に与える。

何もない老人が、
何もない町にたどり着いた果てに、
彼は取り戻したいものを手にする。

何とも素晴らしい映画である。
この監督が今事件で訴えられたなんてウソのようだ。
しかしその事件すらも。
「アメリカの男の力と誇り」という言葉で、
もしかしたら象徴できるかも知れない。
本当はあってはならないことだが。

今このタイミングだからこそ、
観て良かったと思う。
本当に意味で老人がごねる理由や、
わけのわからない過去を懐かしむ理由は、
いろいろな意味で根深くて尊いと思った。
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