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「罪と罰 白夜のラスコーリニコフ」 [DVD・Blu-ray]




『罪と罰 白夜のラスコーリニコフ』≪HDニューマスター版≫
★フィンランド・ユッシ賞 最優秀処女作品賞、最優秀脚本賞 受賞
1983年/フィンランド/カラー/ヴィスタ/93分/フィンランド語/モノラル/日本語字幕/原題:Rikos Ja Rangaistus/(C)Villealfa OY
アキ・カウリスマキ26歳、驚異の処女作。ヒッチコックでさえ映画化をためらった不朽の古典文学『罪と罰』に果敢に挑み、見事に映像化。
簡潔なカットとストイックなまでに抑制されえたセリフ。生のセンチメンタリズムを一切拒み、無常感とニヒリズムをたたえながら、思想なき氷のような世界を伝える。
労働者ラヒカイネン。かつては法学生だった彼は、ある日殺人を犯す。警察はある情報をもとに事件を怨恨の線から洗い出そうとするが、
容疑者ラヒカイネンは逃げも隠れもせず、まるでゲームのように警察の追求をかわす…。
監督・脚本:アキ・カウリスマキ/製作:ミカ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン/共同脚本:パウリ・ペンティ/原作:ドストエフスキー『罪と罰』よりCAST:マルック・トイッカ、アイノ・セッポ、マッティ・ぺロンパー、エスコ・ニッカリ、オッリ・トゥオミネン

Amazon Prime Videoの無料を見終わったので、
年末に思い切って買った全集から、
未見のものを拾い始めた。

なんとまぁこれが処女作なのか。
全くと言って良いほど、
後のカウリスマキらしいユーモアが皆無で、
ただただ陰鬱なだけの身勝手な犯罪者。
そしてドストエフスキーで読んだときの宗教的な部分とか、
なんとなく救われる部分も皆無。
陰々滅々、最後の結論まで「天国なんてないさ」。

街中の情景が多かったので、
古いヨーロッパ車を観られるのは良かった。
それは本筋とは関係ないけれど。

なんで処女作にこれを選んだのか、
わからないわけではないけれど、
それでもこれはかなりのハードル。
と言うか、
そもそも棒高跳びのようなもので、
普通に言って「無理筋」。
多分誰がどう映像化しても、
ラスコーリニコフの内面は描ききれないし、
「100分de名著」でも掘り下げられたとは思っていない。

順番に観ているわけでもないし、
思いつきとその時の空き時間で選んでいるから、
カウリスマキがどう変わっていったのか、
それをまだ全然わかっていない私も悪い。

ただなぁ。

やっぱりこの作品はなかったと思う。
全然ダメとかではないし、
ロシアに近いフィンランドだからこそ、
いろいろと描きやすい部分もあっただろうし、
特に冒頭の食肉解体のシーンからの、
掃除をして血が流れるシーンは不穏さを象徴していて、
ものすごく何かを期待させる。
問題は悲惨さとユーモアもどちらも中途半端と言うことか。
時折「え?ここ笑って良いところ?」とかあるんだけど、
それがちょっと生々しい感じで迷っているうちに終わったり、
思いきり陰惨かと思えば特にすごい暴力もない。

「フィンランドの罪と罰はこんなモノだよ」

そういう風にとらえて良いのか?
疑問は残るがそうすることにする。


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「碁盤斬り」 [映画]



浪人・柳田格之進は身に覚えのない罪をきせられた上に妻も喪い、故郷の彦根藩を追われ、娘のお絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らしている。しかし、かねてから嗜む囲碁にもその実直な人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心掛けている。ある日、旧知の藩士により、悲劇の冤罪事件の真相を知らされた格之進とお絹は、復讐を決意する。お絹は仇討ち決行のために、自らが犠牲になる道を選び……。父と娘の、誇りを賭けた闘いが始まる!

例によって例のごとく、
最近はwebサイトを見ていくようなことをしない。
予告編すら劇場でかからないと観ない。
実はこの映画も予告編を観ていない。
なのでとにかく衝撃の連続で。

で、一番に言いたいこと。
奥野瑛太、最高だぜ! 
ハッキリ言って彼の存在がとても利いている。
そして演技、台詞、所作、
どれをとっても草彅くんにも斎藤工にも負けない。
街のチンピラからここまで来たか!
いやぁ、宮藤さんと伊勢志摩さんの見る目は確か。
今回の君は、
かつての真田広之を思わせる目の光と存在感だった。

これで感情的に一番言いたいことは気が済んだw。

オープニングの映像の文字を見ながら、
「脚本:加藤正人」で思わず「おおっ」っと。
この方の脚本が私は好きで、
日本映画の好きな作品のうち半分くらいはこの方の脚本かと。
そこに草彅くんに白石監督と来たらもう。
そしていきなり小泉今日子。
本当に監督と主演くらいしかわかっていなかったので、
いきなり貫禄のある女郎屋の女将役にビックリ。
これが肝の据わった良い女で、
気っぷが良くて最高に格好いい。
いやぁ、もうこれで決まったな。 
そう思っていたら國村隼、中川大志、音尾琢真。
いやもう、いやもう、いやもう。
最高ってこう言うことじゃない?

良い話なんですよ。
「訳あって」浪人の身の上で貧乏暮らし。
でも清廉潔白を旨として、
その生活も碁に対する姿勢まで真っ直ぐ。
それは強突く張りの商人だった源兵衛までも、
心根を入れ替えて薄利多売の商売人となり、
むしろそれで商いが栄えることとなる。
要するに彼は人に影響を与えられる人。
だけど出奔した国からかつての同僚がやってきて、
彼がなぜ国を出ることとなったのか、
それは誰のためであったのか、
実際何があったのかが明かされる。
でもね。
いくら事実であっても「あのこと」を伝える必要あった?
今更聞いたところでどうしようがある?
とまぁ、国からやってきた左門はかように正直者で、
信頼するに足る男なんだけど、
ちょっとばかり正直すぎる。
でもそれがラストになって利いてくる。
わたくし、俳優としての斎藤工はあまり好きではないので、
そこはノーコメント。

まさか白石監督に泣かされるとは思わなかったわー。
エンドロールで涙が出る出る。
シーンの中には黒澤映画へのオマージュかと思われるところもあり、
華やかな花街と地味な長屋の対比なども、
実に巧いなぁと思ったし、
太鼓橋の効果とか、
撮影も本当に素晴らしかった。
演技、演出、編集、撮影、脚本、
実にテンポ良く退屈するところは一切なし。
かつアクセントの置き方が絶妙。
そしてあの白石監督とは思えないような真っ直ぐな時代劇w。 
(これ褒めています)

今年の邦画実写劇映画No.1だな。 
そう思って数えてみたら、
邦画実写映画がことし3本目だったw。

ともあれ安定の草彅くん、
市村正親、國村隼とかは当たり前だけど、
とにかく奥野瑛太を観て! 
彼をもっと評価してもっと中心に!

できれば何度でも観たい映画。
来週余裕があればもう一度観たい。

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「コカイン・ベア」 [Amazon Prime Video]




コカイン・ベア (字幕版)

コカイン・ベア (字幕版)

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2023/12/06
  • メディア: Prime Video


まさかの実話!?クマがコカインを食べちゃって大暴れ!
全米でバズりまくったワイルド・パニック・アドベンチャーがついに日本出没!

実は去年劇場で気になっていた。
けっきょく優先順位で落としたけれど。
で、アマプラ無料ということで早速。

えーっと、
端的に言うと要素が多すぎ。
多すぎてどのジャンルにも入らない映画。
コメディだしスリラーだしシリアスだし親子愛だし。
親子愛に至っては人間も熊もw。
その上登場人物がやたら多くて、
いろんなことが入り組んでいる。
要するにわかりやすいB級ムービーだ。
「さぁ店は開いたし商品は並べました。 
 お好きなものをどうぞ」というわけだ。

と言うことで、
今一つコカイン・ベアは怖くないし、
おつむの軽い若者やら、
しょーもないレンジャーだの観光客だの、
もともとのきっかけを作ったボスだのその手下だの、
またそいつらに絡んだ事情だの、
更には地元のシングルマザー親子とその友達だの、
要素が多すぎて散漫なのだ。
脚本、演出の意図がわからない。
何を一番描きたいのか。
残念ながらあれもこれもでは受け取る側も混乱する。

もしコカイン・ベアの恐怖にフォーカスしていたら、
と言うかそれを期待していたので、
もっと面白かったんじゃないかと思うのだが、
さすがにそれだけでは1時間半以上もたないのか。
いくら実話とは言え所詮は映画。
そんなものいくらでも作りようがあるのだが。

お気楽に見るには良い映画だが、
飯を食いながら見るものではない。

ちなみに本作はレイ・リオッタの遺作。
思いがけないところで彼を見られて、
すでにおそらくはかなり体調が悪かったであろう、
その表情と顔つきにちょっと哀しくなった。

ともあれあの独特の存在感、
レイ・リオッタの魂に乾杯。

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「碁盤斬り」 [映画]



浪人・柳田格之進は身に覚えのない罪をきせられた上に妻も喪い、故郷の彦根藩を追われ、娘のお絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らしている。しかし、かねてから嗜む囲碁にもその実直な人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心掛けている。ある日、旧知の藩士により、悲劇の冤罪事件の真相を知らされた格之進とお絹は、復讐を決意する。お絹は仇討ち決行のために、自らが犠牲になる道を選び……。父と娘の、誇りを賭けた闘いが始まる!

例によって例のごとく、
最近はwebサイトを見ていくようなことをしない。
予告編すら劇場でかからないと観ない。
実はこの映画も予告編を観ていない。
なのでとにかく衝撃の連続で。

で、一番に言いたいこと。
奥野瑛太、最高だぜ! 
ハッキリ言って彼の存在がとても利いている。
そして演技、台詞、所作、
どれをとっても草彅くんにも斎藤工にも負けない。
街のチンピラからここまで来たか!
いやぁ、宮藤さんと伊勢志摩さんの見る目は確か。
今回の君は、
かつての真田広之を思わせる目の光と存在感だった。

これで感情的に一番言いたいことは気が済んだw。

オープニングの映像の文字を見ながら、
「脚本:加藤正人」で思わず「おおっ」っと。
この方の脚本が私は好きで、
日本映画の好きな作品のうち半分くらいはこの方の脚本かと。
そこに草彅くんに白石監督と来たらもう。
そしていきなり小泉今日子。
本当に監督と主演くらいしかわかっていなかったので、
いきなり貫禄のある女郎屋の女将役にビックリ。
これが肝の据わった良い女で、
気っぷが良くて最高に格好いい。
いやぁ、もうこれで決まったな。 
そう思っていたら國村隼、中川大志、音尾琢真。
いやもう、いやもう、いやもう。
最高ってこう言うことじゃない?

良い話なんですよ。
「訳あって」浪人の身の上で貧乏暮らし。
でも清廉潔白を旨として、
その生活も碁に対する姿勢まで真っ直ぐ。
それは強突く張りの商人だった源兵衛までも、
心根を入れ替えて薄利多売の商売人となり、
むしろそれで商いが栄えることとなる。
要するに彼は人に影響を与えられる人。
だけど出奔した国からかつての同僚がやってきて、
彼がなぜ国を出ることとなったのか、
それは誰のためであったのか、
実際何があったのかが明かされる。
でもね。
いくら事実であっても「あのこと」を伝える必要あった?
今更聞いたところでどうしようがある?
とまぁ、国からやってきた左門はかように正直者で、
信頼するに足る男なんだけど、
ちょっとばかり正直すぎる。
でもそれがラストになって利いてくる。
わたくし、俳優としての斎藤工はあまり好きではないので、
そこはノーコメント。

まさか白石監督に泣かされるとは思わなかったわー。
エンドロールで涙が出る出る。
シーンの中には黒澤映画へのオマージュかと思われるところもあり、
華やかな花街と地味な長屋の対比なども、
実に巧いなぁと思ったし、
太鼓橋の効果とか、
撮影も本当に素晴らしかった。
演技、演出、編集、撮影、脚本、
実にテンポ良く退屈するところは一切なし。
かつアクセントの置き方が絶妙。
そしてあの白石監督とは思えないような真っ直ぐな時代劇w。 
(これ褒めています)

今年の邦画実写劇映画No.1だな。 
そう思って数えてみたら、
邦画実写映画がことし3本目だったw。

ともあれ安定の草彅くん、
市村正親、國村隼とかは当たり前だけど、
とにかく奥野瑛太を観て! 
彼をもっと評価してもっと中心に!

できれば何度でも観たい映画。
来週余裕があればもう一度観たい。

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「ナイアド ~その決意は海を越える~」 [Netflix]



【あらすじ】
不屈の闘志、友情、そして人間の意志の力がもたらした大きな偉業を描く感動の実話『ナイアド ~その決意は海を越える~』。世界的アスリート、ダイアナ・ナイアドの半生をかけた挑戦に迫る。マラソンスイマーを引退して30年、スポーツジャーナリストとして輝かしいキャリアを築いていたダイアナ (演じるのは四度のOSCAR[レジスタードトレードマーク]アカデミー賞ノミネート歴を誇るアネット・ベニング) だったが、60歳にしてこれまで手の届かなかった夢を叶えたいという思いがふくらむ。それは、"水泳界のエベレスト"とも言われるキューバからフロリダまでの約180キロに及ぶ海峡を泳破すること。サメよけのケージを使わずに泳ぎ切るという史上初の快挙を成し遂げるため、ダイアナは親友にしてコーチでもあるボニー・ストール (二度のOSCAR[レジスタードトレードマーク]アカデミー賞受賞歴を持つジョディ・フォスター) や献身的なセーリングチームと共に、4年におよぶ波乱に満ちた旅路を歩み出す。

最近のジョディ・フォスターは、
実在の人物を演じることに興味があるのか。
それとも実際の事件や出来事の方が、
全く架空のストーリーより魅力的だからか?
この映画の予告を観ていて、
ちょっと違和感を覚えていたが、
アカデミー賞の会場に姿を見せた彼女は、
いつもの思っていた通りの彼女だった。
この映画のエンドロールで流れる実在のボニー、
その映像を見てジョディ・フォスターが精一杯寄せていたこと、
そのことがわかってなんとなく腑に落ちたというかホッとした。
それにしても、
この映画のアネット・ベニングもジョディ・フォスターも、
殆どずっとすっぴん状態、もしくはすっぴん状態のメイク。
身体も顔も年齢なりのシミを見せて、
それがメイクなのか本当にあるのかもわからず、
ただその圧倒的な女優魂にノックアウトされる。

ダイアナ・ナイアドは強烈な成功者。
だからいつもその立場からの態度と物言い。
そして若い頃達成できなかった記録に固執している。
いつでもリーダーは自分。
当然軋轢が起こるし、
一度はチームは瓦解する。
そして明らかになってくる彼女の身体と心の傷。
それは一生かかっても拭い去れず、
忘れることもできない傷。

実話だからエンディングを言っても良いと思うけれど、
彼女が自分の肌身でチームでやり遂げたことを感じたこと、
これがやはり大きな変化だったし、
何よりも心を一つにすることを彼女が一番最後に知ったこと、
それが何よりも「コイツ、今頃かよ」
というほくそ笑みつつの突っ込みになる。
とにかく徹頭徹尾「自分」だったダイアナ。
この強烈な個性には魅了されるのと同時に、
まぁ付き合いたい人間ではないなと思われる。
でも何かを成し遂げる人というのは、
大抵何かしらの障害を持っていたり、
常人ではわからないものを持っているものだ。
そしてそれがくせでもありチャーミングでもある。
何より彼女は「プロ」であることを認めれば、
素直にリスペクトして従う。

このアスリート役を65歳のアネット・ベニングが演じる。
それだけでもかなり大変なこと。
そしてコーチ役のジョディ・フォスターもまた、
鍛えた身体を披露するが、
如何せん2人ともやはり年齢なりの身体つき。
これが同年代の私には安心させられる。
女優とは言いながら、
やはり矯正下着を着けないと、
なかなか年齢なりの体型には抗えない。
去年のジェイミー・リー・カーティスもまた、
矯正下着を着けずに演じた「おばさん」は圧巻だった。
こういう年齢の女優が、
年齢なりの体型の役柄をやること、
これを私は歓迎する。
完璧な体型をずっと維持し続けるなんて無理。
ならば女優に夢を見せてもらいたい気持ちはあるが、
そういう現実もまた我々には励ましだ。

2人の演技は最高だが、
作品としては多少だれるし、
最高とは言いがたいと思う。
ただ主演助演の女優の演技が素晴らしいこと、
それだけで観られてしまう映画でもある。

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「GO! GO! L.A.」 [DVD・Blu-ray]


GO! GO! L.A. 《スペシャル・プライス》 Blu-ray

GO! GO! L.A. 《スペシャル・プライス》 Blu-ray

  • 出版社/メーカー: IVC
  • 発売日: 2023/09/29
  • メディア: Blu-ray


■物語
イギリスの片田舎で葬儀屋を営む22歳の青年リチャードは、家業を継ぎながらも脚本家を目指していた。
そんな中、アメリカ人のウェイトレス、バーバラと出会う。
女優を夢見る彼女に、リチャードは恋に落ちる。
やがて彼女を追いかけ、ロサンゼルスへとやってきたが…。

アキ・カウリスマキ監督のお兄さん、
ミカ・カウリスマキ監督作品。

台詞棒読みのような弟と違って、
なかなかにエモーショナルな演出をなさる。
ソレニシテのこの兄弟、
とことんロマンチストなんだなぁと思った。
葬儀屋のあんちゃんが女優志望のお姉ちゃんとできて、
彼女を追いかけてとうとうロスまで行ってしまう。
そして盲目的に彼女を追っかけ回し、
とうとう結婚までしてしまうのがすごい。
「愛しのタチアナ」を観た後だったから、
距離も場所もものともしない情熱に恐れ入った。

そう簡単に話は進まないし、
曲者ビンセント・ギャロが予想と違って良い奴で、
これまたロマンチストなんだなぁ。
偶然とは言え、
出会いの妙がこの映画の魅力。

ギャハハと笑うコメディではないけれど、
人の優しさとか温かみがある映画。
じわーっとくる。

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今週の切り花。 [お買い物]

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今週は母の日で、
カーネーションが一杯。 
 
なので逆らって、 
カラーとレースフラワー。 
白と緑でこの季節にふさわしく爽やかに。

芍薬の華やかさとは対極。
花というのは言いものですなぁ、
いろいろと味わいがあって。

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「ウィッシュ」 [Disney+]




ウィッシュ MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

ウィッシュ MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2024/04/24
  • メディア: Blu-ray


<ストーリー>
願いが叶う魔法の王国ロサスに暮らす少女アーシャの願いは、100才になる祖父の願いが叶うこと。だが、すべての“願い”は魔法を操るマグニフィコ王に支配されているという衝撃の真実を彼女は知ってしまう…。みんなの願いを取り戻したいという彼女のひたむきな思いに応え、夜空から舞い降りてきたのは“願い星”のスター。スターに導かれ、相棒である子ヤギのバレンティノら仲間と共に、アーシャは立ち上がる。
「願いが、私を強くする」──アーシャとスターの運命の出会いが、王国に巻き起こす奇跡とは…?

大体が割合すぐにDisney+で観られるので、
それを待つのが普通。
多分DisneyPIXARのアニメを劇場で観たことはない。
なので今回もその流れ。

100周年の作品がこれか。

それが正直な感想かな。
いろんなキャラクターと絡めるのは良いけれど、
それが効果的とも言いにくいし、
そもそもストーリーが陳腐。
ステキな王様が実は独裁者の魔法使い、
民の願いを聞くと称してはその夢を閉じ込めて、
民の夢も希望も閉じ込めている。
その設定がもうなんか受け入れがたい。
で、アーシャは特別な力があるわけでもない少女で、
その願いの導きでスターと出会う。

キャラクターの強さもないし、
意外性も全くないし、
まぁ惹きつけられるとしたら、
今までとはちょっと違う作画の感じ。
だけど音楽もインパクトに欠ける。
1時間半盛り上がる気持ちになれないってのはどうも。

Disney+に入っていれば、
いつでも無料で観られると言うだけで、
まぁそれだけのことで観るのは良いけど、
お金を払う価値はないかなぁ。
一応新作は全部Disney+で観ているけど、
ここしばらくの中で最悪。
好みの問題はあるだろうけど。


子どもの目にはどう映るんだろう。 

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「Ryuichi Sakamoto | Opus」 [映画]



 2023年の3月に逝去した坂本さん。本作は、闘病生活を続けていた坂本さんが最後の力を振り絞り演奏したソロコンサートを記録した、最初で最後の長編コンサート映画。撮影が行われたのは、2022年9月、東京のNHK 509スタジオ。坂本さんが長年コンサートで愛用した、カスタムメイドされたヤマハのグランドピアノだけで撮影に臨んだ。「Merry Christmas Mr. Lawrence」から、2023年に発表された最後のアルバム『12』からの楽曲、初めてピアノソロで演奏された「Tong Poo」まで、自身が選曲した20曲から構成されている。また、本作は、坂本さんが全面的に信頼を寄せた監督と撮影クルーたちが入念に撮影プランを練り上げ、坂本さん自身がアプルーブし、入念なポストプロダクションを経て完成した。

NHKのドキュメンタリーで、
教授の最期までの日日を追った映像の中で、
今際の際に意識をなくしてもなお、
指はピアノを弾いている場面に遭遇した。
その時彼の指はどの曲を弾いていたのだろうか?
このコンサートの撮影風景を見て、
今この人は最期の日に向けて自分の記録を残しているのだろうか?
穏やかに日々を過ごしている教授を見ながら、
様々な疑問や疑念が過った。

この映画が近くで上映されることは知らなかった。
どうせ都内の限られた劇場だろうと思っていた。
幸いにしてSIOBというすぐれた音響を導入したスクリーンがあり、
運良くそこが直近のシネコンだった。

とにかく素晴らしい。
背中からの映像を見ると、
痩せた教授の肩甲骨がジャケットの上からもわかる。
顔や首に浮いたシミが目立つ。
全身衰弱しているのに、
目の光と表情と指だけは力がある。
指はピアノ弾きの湯桧曽のもの。

至福の103分。
コンサートでもドキュメンタリーでもなく、
静謐な時間と音が流れる空間。

「Aqua ・Tong Poo」を演奏しているときの教授は、
微かに笑いを浮かべていた。
そしてとてもリラックスして楽しそう。
「Merry Christmas Mr.Lawrence」の時も、
他の曲とはまた違う、
熱のこもり方を感じていた。
私の脳裏には、
先にこの世を去った高橋幸宏、デヴィッド・ボウイ、大島渚、
彼らの顔が浮かんでいた。
当事者である教授とは違うだろうが、
何かえもいわれぬ不思議な教授の思いが伝わる。

ストーリーがあるわけでもない。
かと言ってドキュメンタリーのような出来事を追うでもない。
スクリーンに映った映像と、
聞こえてくる美し音をそのまま受け止めるだけ。




近々加藤和彦氏の周辺、
或いはご本人の様々を描く「トノバン」が公開される。
ミュージシャンとしての質は違っても、
彼らは作品を残すことができるし、
その個性的な生き方や発言を残すこともできる。
昔のミュージシャンは音楽、楽譜だけだったが、
今は音声も映像も残る。

それはある意味とても幸せなことであり、
ある意味とても残酷なことでもある。
私は上映時間中、
「ああ教授はもういないんだ」と何度思ったか。
モノクロの映像に浮かび上がる真っ白な髪。
手元を映すと詰めが異様に真っ白。
多分この教授の映像が忘れられないだろう。
あの空中でピアノを弾く手と共に。


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「枯れ葉」3回目 [映画]



公開された本編映像は、アンサへの想いからホラッパがある決心をするカラオケバーでの一幕。

「この世で寿命が尽きたら地中深くに埋めて欲しい」という歌詞を聞き、表情を変えるホラッパの姿が捉えられています。この映像からも、可笑しみと切実さに満ちた最高のラブストーリーが感じられ、貧しい市民の悲喜劇を厳しくもユーモアに描くカウリスマキらしさが伝わってきます。
劇中で演奏をしているのは、「マウステテュトット」。ヘルシンキ在住のアンナ・カルヤライネン(ギター)とカイサ・カルヤライネン(キーボード)姉妹からなるポップ・デュオで、バンド名はフィンランド語で「スパイス・ガールズ」の意味です。アキ・カウリスマキ監督も彼女たちの音楽の大ファンと公言しています。
ふたりのささやかな幸せは、運命、現実に翻弄
作品の舞台は、北欧の街ヘルシンキ。アンサは理不尽な理由から仕事を失い、ホラッパは酒に溺れながらもどうにか工事現場で働いています。ある夜、ふたりはカラオケバーで出会い、互いの名前も知らないまま惹かれ合います。だが不運な偶然と現実の過酷さが、彼らをささやかな幸福から遠ざけます。果たしてふたりは無事に再会を果たし想いを通じ合わせることができるのでしょうか...?



沁みる。
めちゃくちゃ沁みる。
そして大好き。
映画もこの曲も大好き。
だから3回目に行ってしまった。 

未来が見えない生活と、
どうやっても絶望の中であがくしかなくて、
その中で見つけた灯りがともったり消えたり。
絶望の中から見つけた灯りのシーンで、
この歌の歌詞が響く。
全く言葉はわからないので、
字幕しか見えないのだけど、
字幕とホラッパの表情が重なって、
胸の奥底まで沁みる。

カウリスマキの中でも、
主人公は良い男と良い女の部類。
歳は食っていてもチャーミング。
コメディ部分も抑えめ。
引退を撤回してまでの作品は、
ロシアのウクライナ侵攻のニュースを聴きながら、
生活が流れていく。

バランスがすごいなぁと思った。
今まではどんなに悲惨な労働者の話でも、
ユーモア満載で思わず笑っちゃう。
でも今回は職は失ってもすぐに働いて、
どんどん酷い職場にはなっても、
それでも何とか働ける。
その代わりにクスリとはしても、
バカバカしさはなくて優しい笑いがのぞく。
そしてとんでもない歌詞のエレクトロポップ。
それで立ち直る決心の表情が過る。

カウリスマキはどの作品も好き。
でも泣けるのはなかなか。
この映画は何度か泣けた。
そして大号泣した「レニングラード・カウボーイズ」のライブを聴きながら帰る。
こんな幸せはなかなかない。



ちなみに宮藤さんは実際にカウリスマキに会ったことがあるのだが、
決して良い印象を持たなかった。
故に「カウリスマキの映画は好きだけどカウリスマキ本人は嫌い」。
笑っちゃうなぁ。
そう言うところも映画も全部魅力なんだ。

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