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「哭悲/THE SADNESS」 [WOWOW]



【STORY】
謎の感染症に長い間対処し続けてきた台湾。専門家たちに“アルヴィン”と名付けられたそのウイルスは、風邪のような軽微な症状しか伴わず、不自由な生活に不満を持つ人々の警戒はいつしか解けてしまっていた。ある日、ウイルスが突然変異し、人の脳に作用して凶暴性を助長する疫病が発生。感染者たちは罪悪感に涙を流しながらも、衝動を抑えられず思いつく限りの残虐な行為を行うようになり、街は殺人と拷問で溢れかえってしまう。そんな暴力に支配された世界で離ればなれとなり、生きて再会を果たそうとする男女の姿があった。感染者の殺意から辛うじて逃れ、数少ない生き残りと病院に立て籠もるカイティン。彼女からの連絡を受け取ったジュンジョーは、独りで狂気の街を彷徨い始める。

「哭悲」という題名から、
もっとオカルトチックなホラーを予想していたら、
バリバリのゾンビ映画でいきなりびっくりしたw。 
だけどこのゾンビ、
従来のゾンビと違ってものを考えて感情もあって肉体も人間と変わらない。
ただひたすら考え付く限りの残虐非道をつくし、
限りなく残虐な元人間とその死体と大量の血液で埋め尽くされる街。

かなりいきなりでスピーディーな展開。
そしてこっちが受け止める間もなくいきなり血まみれ。
予想していないとびっくりするものだw。 
だって悪霊系だと思っていたら、
即物的なゾンビなんだものw。
それもあらん限りの欲望を噴出させるゾンビ。
脳みそ食いたいとか人間食いたいとか、
そんな単純な欲望じゃないからすごいぞ。
アジア系ホラーならではの残虐さとリアルさ。
その欲望の開放ってやつが一番やばいし。

なのでけっこう笑える。
「うわぁ、抑圧された人間ってこえー」
「みんなこうなったら何するかな?」
なんて考えるといろいろ笑えてくる。
人間の理性って素晴らしいなと再認識。
もっとも京アニ事件みたいなのもまた、
何かのきっかけや病気で理性の掛け金が外れたともいえるのだろうけど。

で、冷静に見ていると、
いや、ホラーだからそんなもんだろうけど、
多分予算があまり大きくないのをうまく利用しているし、
アメリカほど広くもないし、
開放的でもないという土地柄をうまく使っている。
ラストシーンもうまく処理しているし。

血のりの量が半端ないから、
その手の表現が嫌いな人は要注意。
ただし今までのゾンビとは全然違うし、
「バイオハザード」系の発生だけど、
それだけじゃ終わらないから面白い。
これは発想の勝利だね。 

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「哭声/コクソン」 [WOWOW]




コクソン哭声 [Blu-ray]

コクソン哭声 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2018/07/04
  • メディア: Blu-ray


警察官ジョング(クァク・ドウォン)が妻と娘と暮らす平和な村に正体不明のよそ者(國村隼)が住み着いて以来、住人たちは彼のうわさをささやいていた。やがて、村で突然村人が自分の家族を手にかける事件が発生する。犯人には、濁った目と湿疹でただれた肌という共通点があり……。

思えば韓国映画にどっぷりはまるきっかけで、
そもそもが町山さんが熱烈にすすめていて、
かつ國村隼さんが出演しているということで、
配信に来た時即刻飛びついた。
(今ほど熱心に劇場には通っていなかったので)



とにかく怖かった。
わけもわからず怖いし、
韓国の生活も風習も何もかもわからないし、
すべてが謎めいていて怖かった。
ちょっとしたきっかけで、
見なくてもいい未公開シーンを見てしまったら、
がっかりしたのだけれど、
でもまた見たくなったし、
そこにWOWOWオンデマンドに転がっているから、
そりゃ見なきゃあかんだろうて。

やはり当時は動揺がかなり強かったのか、
今見ると気が付く部分がある。
昔から韓国はカソリックが多いのは知っていたが、
なぜ助祭が出てくるのかわからなかった。
そして見逃していた「聖痕」と思しき傷跡。
しかしそうなるとあの結末と未公開シーンが結びつかない。
いや、まだいろいろと考えないといけないことがありそう。

実はこの映画で自覚はしなかったけれど、
ファン・ジョンミンの魅力に落ちたw。
その後いろいろな韓国映画を観るうちに、
俳優についても何も知らなかったのに、
「あれ、この人見たことがある。 
 あ、哭声の祈祷師だ!」
そこからもうずっとファン・ジョンミン大好き。
最近のいい人はちょっとなんだけど、
ふてぶてしくて人懐こくて、
いつも食べているシーンが多くて、
その笑顔で何もかも許してしまう。
どんな外道でもどんなクズでも、
「あ、やはりこの人は人たらし」
そういう思いを再度確認してしまった。

そもそも韓国の文化も詳しくなかったし、
今もカソリックについては詳しくないから、
たくさんのことを見落としていることは間違いない。
と言って、なぞ解きを読んでしまうのもつまらない。

わからないはわからないなりに、
「未知の恐怖」であることも必要。
それをしみじみと感じる恐怖に満ちた時間だった。

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