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「キャメラを止めるな!」 [WOWOW]




キャメラを止めるな! [Blu-ray]

キャメラを止めるな! [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2023/09/06
  • メディア: Blu-ray


【ストーリー】
とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影していた。本物を求める監督は中々OKを出さずテイクは31テイクに達する。そんな中、撮影隊に本物のゾンビが襲いかかる!大喜びで撮影を続ける監督、次々とゾンビ化していく撮影隊の面々。“30分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイバル!”・・・・・・を撮った「フランスの」ヤツらの話。

設定の妙というか、
竹原芳子という唯一無二の存在を無理なく登場させ、
やっぱりこのソンだけは外さない。
それ以外は基本的にとても忠実にリメイク。
上田監督の作品を劇場で観たとき、
このときほどの衝撃はなかったけれど、
それなりに面白いというか、
役者が結構良かったので楽しめた。
特に上田版にはなかったSE役。
彼がなかなかに言いポイントになっていて、
これは面白いし、
ストーリーにもアクセントを与えていた。

「早い、安い、それなり」

たった300万円で作られた日本版に対して、
フランス版は5億円以上かかったらしい。
大凡は出演比が占めているそうだ。
フランス人俳優だから全然わからないから、
ある意味条件は日本版と同じなんだけど、
日本版の方が個性的な役者が多かったなぁ。

やっぱり映画って奴は金じゃないんだよね。

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「こちらあみ子」 [WOWOW]



☆ あらすじ
あみ子はちょっと風変わりな女の子。優しいお父さん、いっしょに遊んでくれるお兄ちゃん、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいるお母さん、憧れの同級生のり君、たくさんの人に見守られながら元気いっぱいに過ごしていた。だが、彼女のあまりに純粋無垢な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていくことになる。誕生日にもらった電池切れのトランシーバーに話しかけるあみ子。「応答せよ、応答せよ。こちらあみ子」―――。奇妙で滑稽で、でもどこか愛おしい人間たちのありようが生き生きと描かれていく。

宮藤さんがめちゃくちゃ気に入っていたので、
前々から観なくてはと思っていた。
若干キツそうなところもあるみたいなので、
ちょっと躊躇していたけれど、
朝からの雨も上がって爽快な天気なのでw。

いや、参った。
「あみ子」の世界は何でも唐突で、
ものすごく純粋で、
それが時にものすごく残酷で、
それはやがてあみ子にも刺さってくる。

徹底してカメラはあみ子のいる世界なので、
その裏で誰がどんな話をしているのか、
何がどうなっているのかわからない。
ただ大人があみ子を持て余していることは、
想像に難くないし、
それ以上に手を焼いているというか、
予想もつかない自由なあみ子がわからない。
「福田村事件」でも「貴方はみているだけなのね」と言われた井浦新、
今回もあみ子にもその兄にも何も言えない。
まぁこういう家族の行く末は、
なんとなくだけど想像できる。

変異大人の気持ちを先読みして、
「良い子」でいたいと思う子供が多い中、
あみ子のような子供は異質だし、
おそらく医者に診せれば診断名がつくだろう。
今はその子に応じた対応方法もあるし、
学校がどの程度できるかはともかく、
「この子はこういう子だから」という予想で、
親も周囲もそれを覚悟して、
或いは受け入れることもできる。
ただ不幸なことに、
親や周囲にその知識がないとえらいことだ。
だからこの映画を観ていると、
あみ子をそれなりに受け入れているのは子ども同士であり、
「こいつはそういう奴なんだよな」って思っている。

あみ子の世界が変わり始めたところで映画は終わる。
これから先のあみ子、
何がどうなるのかわからないけれど、
もしかしたら年齢なりの成長を遂げるのかもしれない。
でもある意味あの個性派失わないでほしいと、
傍観者は無責任に考えてしまう。
ただ兄が解き放ってもなお、
ずっとあみ子にお化けが一緒にいたとしたら、
それは父親の責任でもあるなぁと思う。
子どもが子どもとして気を遣われない、
子どもが子どもとして受け入れられない、
そんな時にはイマジネーションフレンドを作るものだから。


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「聖なる鹿殺しキリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」 [Amazon Prime Video]




聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア [Blu-ray]

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2018/09/04
  • メディア: Blu-ray


身勝手な主人公のセリフ、神の目のように上部から俯瞰し捉えられる構図、心理的圧迫感や苦悩を深めるクラシック音楽の配置など、独特の間と編集でつくられた ランティモスの個性が炸裂した作品!
コリン・ファレル×ニコール・キッドマン:オスカー俳優の豪華共演による、あなたの常識を覆す新感覚スリラーが日本に上陸! !
<第70回カンヌ国際映画祭 脚本賞受賞>
ストーリー
心臓外科医スティーブンは、美しい妻と健康な二人の子供に恵まれ郊外の豪邸に暮らしていた。スティーブンには、もう一人、気にかけている少年がいた。その少年を家に招き入れたときから、家族のなかに奇妙なことが起こり始める。子供たちは突然歩けなくなり、這って移動しなければならなくなる。そしてスティーブンはついに容赦ない究極の選択を迫られる…。

「哀れなるものたち」の勢いを駆って、
前から観なくちゃと思っていたものを一気に。

A24のホラー、スリラーってとにかく薄気味悪い。
理由はわからない状態で、
理不尽なことに悩まされて、
多分それは内面の問題なのだろうけれど、
安易にことを片付けようとしようとして、
実はどんどん面倒に絡め取られていく因果。

ヨルゴス・ランティモスという人も、
そもそも理不尽な世界を描く人だけど、
本作はものすごい理不尽の塊。
バリー・キオガンが出てきた瞬間、
その理不尽が我慢に満ち満ちて、
理路整然と知的な雰囲気に満ちた、
主人公の家庭に少しずつ穴を穿つ。
あの青い瞳で冷徹に観察し、
少しずつ少しずつ本性を現していく。

主人公の息子、
目を見た瞬間に「あれ?この子知っている」と思ったら、
「ミッド90s」の子だった。
選ばれた子。
逆に選ばれなかった子。
その残酷さがエグすぎる。

古い作品だし、
もう奇妙な迷作として名高いから、
A24好きなら見るしかない歳か言えないけれど、
どうせ見るなら、
エメラルド・フェネル監督の「ソルトバーン」と一緒に観ると良いよ。

あの少年がこういう風に育ったとなったら、
なんとなく納得できるよ。
その後あの両親の元に養子に行ったとか。

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