SSブログ

Twitterまとめ投稿 2020/08/13 [moblog]


コメント(0) 

「国家が破産する日」 [ストリーミング]


国家が破産する日 [DVD]

国家が破産する日 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 株式会社ツイン
  • 発売日: 2020/04/08
  • メディア: DVD


【ストーリー】
韓国銀行のハンは通貨危機の予兆を国に報告するが、無責任な政府と対立する。金融コンサルタントのユンは、独自のデータを元に大胆な投資に動きだす。
好景気に躍らされた中小企業は次々に倒産。政府が対策チームを立ち上げた時、国家破綻は7日後に迫っていた――!!

町山さんが「たまむすび」で紹介したときから、
観なければいけないと思っていた。
しかし機会を逸してそのままになっていたとき、
友人から薦められた。
最近はAmazon Prime Videoのレンタル料も控えていたので、
ちょっと放置していた今、
「82年生まれ、キム・ジヨン」の映画に備えて、
原作を読み始めたときに、
一家が「韓国通貨危機」に直面して、
最も安定した職業である公務員の父親にもその波は及び、
やがて進学問題にも絡んでくる。
そして今Amazon Prime Videoで102円になっているのを発見。

「今こそ観よう」

物語は3人の視点から描かれる。
通貨危機の予兆を感じ取って調査した韓国銀行のハン。
同じく国家破産の予兆を感じ投資チャンスをものにしようとするユン、
大手百貨店に製品の納入が決まり、
それまで頑なに現金商売を続けてきたが、
大口契約と言うことで手形を受け入れてしまった工場経営者ガプス。
それぞれの立場でそれぞれの奮闘を描くのだが、
やはり庶民という立場としては、
工場経営者に思い入れが行ってしまう。
身の程をわきまえた手堅い現金商売を変節した瞬間、
思わず「絶対にダメっ!」と叫びたくなる。
そして韓国のために破産を認めて、
IMFの介入を阻止しようとするハンの現実的視点と愛国心、
ここにもグッとくるのだが、
相も変わらず「女はダメだ」「引っ込んでいろ」
そういうヤツが出てきて、
腹黒い思惑に国家をはめていくのが口惜しい。
ここで予想外にヴァンサン・カッセルが観られたのはラッキーw。
そして自分の勘を信じて投資をしながら、
自らの成功を確信していくユンは、
ある意味この残酷で陰鬱な物語の清涼剤だ。
自らの国の現実にあった屈辱的な出来事を、
こうして客観的にエンタテインメントとして映画化する、
それは民主化運動においても同じなのだが、
彼らが自分達の過ちを繰り返さないために記録したい、
決して忘れてはならないという信念に基づいているのだと思う。
このあたりが「美化」が大好きな日本人と違うところだ。
IMFの介入を許したことが20年後韓国をどう変えたか、
そこまで検証するあたりがまた小憎らしい。
もっともこの精神があるからこそ、
韓国は経済もエンタテインメントも徹底して成長したし、
今般のCOVID-19の封じ込めにも成功したのだと思う。

彼らはやはり大陸の人間なのだなぁと思う。
いつも侵略の危機に脅かされ、
今もまだ北朝鮮とは停戦状態。
常に危機は彼らの頭の上で旋回している。
比べると日本人の愚かさが良くわかるし、
この映画の原題「デフォルト」がいつ起こってもおかしくない、
そんな甘い経済政策をやり続けていることが、
この国のアメリカに対する依存と甘えであり、
もはやアメリカすらも助けてくれないであろう今。
どうにもならなくなってきたことを国民も自覚するべきだ。

このデフォルトの原因も、
リーマン・ショックの原因も、
総ては金融機関の甘さにある。
信用がないのに信用して金を貸す。
それこそが総ての始まり。

同じ金融を扱っていても、
「半沢直樹」のような爽快感はない。
だけどこちらは現実だ。
そして「明日は我が身」でもあるのだ。

コメント(0) 

- 人生は四十七から -