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Twitterまとめ投稿 2020/08/18 [moblog]


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「蜜蜂と遠雷」 [WOWOW]


蜜蜂と遠雷Blu-ray通常版

蜜蜂と遠雷Blu-ray通常版

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2020/04/15
  • メディア: Blu-ray


【ストーリー】
3年に一度開催され、若手ピアニストの登竜門として注目される芳ヶ江国際ピアノコンクール。かつて天才少女と言われ、その将来を嘱望されるも、7年前、母親の死をきっかけに表舞台から消えていた栄伝亜夜は、再起をかけ、自分の音を探しに、コンクールに挑む。そしてそこで、3人のコンテスタントと出会う。岩手の楽器店で働くかたわら、夢を諦めず、“生活者の音楽"を掲げ、年齢制限ギリギリで最後のコンクールに挑むサラリーマン奏者、高島明石。幼少の頃、亜夜と共にピアノを学び、いまは名門ジュリアード音楽院に在学し、人気実力を兼ね備えた優勝大本命のマサル・カルロス・レヴィ・アナトール。そして、今は亡き“ピアノの神様"の推薦状を持ち、突如として現れた謎の少年、風間塵。国際コンクールの熾烈な戦いを通し、ライバルたちと互いに刺激し合う中で、亜夜は、かつての自分の音楽と向き合うことになる。果たして亜夜は、まだ音楽の神様に愛されているのか。そして、最後に勝つのは誰か?

スポーツでも音楽でも、
プロというのは実に残酷なもので、
それで食べていこうと思ったなら、
大抵の場合10代のうちに道は決まってしまう。
実際私もピアノを習っていたが、
5年生くらいの時に、
ピアノの先生から「音大に行くには練習が足りない」と言われた。
もちろん音大に行こうなどと言う気持ちは更々なくて、
親ももちろんそんな野望は持っていなくて、
普通にピアノを習う生徒で終わったのだけど。

そんなことをふと思い出しながら、
登場人物それぞれのピアノの音色と、
彼らの生活の背景を踏まえながら、
「音楽とはなんなのか」をあらためて考える。
そして天才や音楽を生業とするために続けるもの、
それぞれの苦悩や悦びが音と共に空間に満ちる。
結局のところ音楽、芸術とは言え、
食べていくためには求められる音楽である必要があり、
そのことが残酷にも勝敗を決めていく。
個人的には心の底から音楽を楽しんで、
その楽しみを聴衆に分けてくれる演奏者こそ、
私は聴きたいと思うのだが。
だからコンクールの結果が総てではないと思うのだ。
それぞれのプレイヤーにファンがいるように、
音を紡ぎ出す人間の様々な人間性を内包しているのが音楽。
たまにとんでもなく嫌な人間が、
とんでもなく素晴らしい音楽を生み出す皮肉もあるがw。

そういう意味でこの作品は興味深い。
それぞれが全く違う背景を持っていて、
それぞれが全く違うアプローチをしていて、
それぞれが全く違う結論を導き出しているように思える。
だからこそ観客は誰かに思い入れを持ち、
誰かの音に魅せられる。
それが誰であろうとも、
そこに音楽と人間性と背景は不可分なのである。

本来であれば劇場で観たかったのだがかなわず、
今回家で観たのだが、
円形スピーカーで締めきった部屋の大音量で楽しんだ。
この作品だけはくれぐれもコンパクトプレイヤーなどで、
わかった気になって欲しくない。
35mm70mmで撮影された映画を液晶一体型のプレイヤーで観て、 
その後映画館で観たら「別物、素晴らしい、是非映画館で観ろ!」と言う人がいたが、
映画館とほど遠い環境と比較して欲しくない。
総ての映画を映画館で観ることはかなわないが、
できる限り良い環境で観ることは必要だと実感した。
映画にとって大事なのはストーリーと画像だけではない。
音響効果もあってこその映画なのだ。

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