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Twitterまとめ投稿 2020/08/19 [moblog]


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「劇場」 [ストリーミング]


【STORY】
高校からの友人と立ち上げた劇団「おろか」で脚本家兼演出家を担う永田(山﨑)。
しかし、前衛的な作風は上演ごとに酷評され、客足も伸びず、劇団員も永田を見放してしまう。解散状態の劇団という現実と、演劇に対する理想のはざまで悩む永田は、言いようのない孤独を感じていた。
 そんなある日、永田は街で、自分と同じスニーカーを履いている沙希(松岡)を見かけ声をかける。自分でも驚くほどの積極性で初めて見知らぬ人に声をかける永田。
突然の出来事に沙希は戸惑うが、様子がおかしい永田が放っておけなく一緒に喫茶店に入る。
女優になる夢を抱き上京し、服飾の学校に通っている学生・沙希と永田の恋はこうして始まった。
 お金のない永田は沙希の部屋に転がり込み、ふたりは一緒に住み始める。
沙希は自分の夢を重ねるように永田を応援し続け、永田もまた自分を理解し支えてくれる彼女を大切に思いつつも、理想と現実と間を埋めるようにますます演劇に没頭していき―。
夢を叶えることが、君を幸せにすることだと思ってた―

こんな純粋なキラキラした二人を、
楽しく喜ばしげに観るには私は歳を取りすぎた。
二人が最悪の方向に向かっていくのを、
ただ苦々しく見つめるしかできなかった。
満たされない理想と現実との狭間で、
二人がもがきながら、
若いが故に落ちていきそうなりながら、
その気持ちがヒリヒリするほどに痛い。

そんな気持ちを忘れて何十年。
二人の気持ちがどちらもわかる、
そんな未熟さだけが残っている今。
なんだか現実に悶絶しているのは自分なような気がする。
夢を夢として叶えきれなかった大人は、
みんなそんな切なさに悶えるのかも知れない。
それがとてもつらい映画だと思った。

若い人よりもきっと、
現実に生きざるを得なかった大人たち、
そういう人間こそがこの映画のつらさを、
純粋な気持ちと哀しさを痛みを知っている。

若い人が観る映画なのかも知れないが、
本当は私は同世代かそれ以上の人に観て欲しいと思った。
ちょっと羨ましいし、
ちょっと嫉妬するし、
ちょっと卑屈になる。
そんなこの映画が愛おしいと思った。
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